クリーンエネルギーに向けたイノベーションの動き、特に世界経済の脱炭素化の動きは、温室効果ガスとその影響に対する意識の高まりを受けてしばらく前から活発化し始め、これまで各国政府の奨励策の後押しを受けてきましたが、今や世界的規模のパンデミックや持続可能な復興計画の影響により、そのスピードを加速させています。従来型の石油ガス会社、石油ガス分野の投資家、および再生可能エネルギー会社等、シャーマン アンド スターリングのクライアントの多くは、この分野における大規模開発に対する需要やクリーンエネルギーに向けたイノベーションの波を利用しようと、エネルギー転換に向けた活動における機会を模索しています。国際エネルギー機関(IEA)が公表した報告書「Net Zero by 2050」の予測によると、ネットゼロエミッションを達成するために必要なCO2排出削減量の75%は、まだ商用化の段階に達していない再生可能エネルギーやクリーンエネルギーのテクノロジーの推進にかかっています。

エネルギー転換における重要かつダイナミックで実行可能なイノベーションの4つの分野とは、多目的燃料としての水素のクリーン(またはセミクリーン)開発、排出源でのCO2回収プロジェクトの開発、とりわけ大規模再生可能エネルギー事業の一部としてのエネルギー貯蔵プロジェクトの開発、ならびに特に鉄鋼およびセメントの工業生産のグリーン化です。

当事務所のエネルギーイノベーションチームは、これらの脱炭素化プロジェクトの支援においてリーダー的な存在です。当事務所は、このような革新的クリーンエネルギープロジェクトの開発および融資案件につき、従来型の石油ガス会社、再生可能エネルギー開発業者、プライベートエクイティ投資家、クリーンテクノロジー会社、各国政府、国営エネルギー会社、およびレンダーに対するアドバイスに豊富な経験を有しています。当事務所は、プロジェクトのストラクチャー立案のほか、特に新興テクノロジーに関わるプロジェクトの資金調達を可能とするための要件に精通しています。当事務所は、Chambers Globalより、プロジェクトおよびエネルギー分野の世界トップクラスの法律事務所として常に評価されています。

詳細については、当事務所のEnergy Innovation Hub(英語資料)をご参照ください

水素 

質量比でガソリンの約3倍のエネルギーを持ち、CO2を出さない水素の魅力に惹かれ、エネルギー会社、化学会社、ガス会社および大手機器メーカーは、再生可能エネルギーが豊富な世界中の地域で大規模な投資を始めています。欧州、中東、オーストラリア、さらには一部の中南米諸国や米国では、大規模なグリーンエネルギープロジェクトの開発が進んでいます。

シャーマン アンド スターリングの水素分野における豊富な経験の中でも特筆すべき案件として、当事務所は、サウジアラビアにおける50億ドルの世界規模のグリーン水素およびグリーンアンモニア製造施設である新規事業プロジェクトヘリオスのあらゆる事項につき、NEOM Companyのリードカウンセルとしてアドバイスを提供しています。4ギガワットの再生可能エネルギーを電源とするこのプロジェクトは、史上最大の再生可能エネルギープロジェクトであると同時に、世界最大のグリーン水素プロジェクトでもあります。また、このプロジェクトにより、輸送用に日量650トンのカーボンフリー水素がグローバルに供給され、年間300万トンのCO2が削減されることになります。

当事務所の水素分野における代表的な案件および提供可能業務の詳細については、hydrogen sector experience and capabilities(英語資料)をご参照ください。

CO2回収 

民間セクターの関心が高まり、政府の政策面からの支援が一層進んだことにより、開発中のCO2回収プロジェクトの数が世界的に大幅に増加しています。米国は世界に先駆け様々な産業分野で、既に13件のCO2回収施設を設置し、さらに30件を開発中です。欧州および中東もCO2回収に積極的です。シャーマン アンド スターリングは、これらのプロジェクトについて、実行を可能にする資金調達、開発、商業契約、環境問題および税制優遇措置等、あらゆる側面からアドバイスを提供しています。

最近の代表的な案件:

  • プライベートエクイティの支援を受けるミッドストリームの企業に対し、CO2回収プロジェクトの開発案についてアドバイス
  • エタノール工場に投資する投資家に対し、工場におけるCO2回収プロジェクト開発についてアドバイス
  • ネブラスカ州に建設予定のカーボンフリー製造施設に関連する資金調達についてアドバイス

CO2回収に関する最新のクライアントアラートを下記よりご参照ください。

エネルギー貯蔵 

エネルギー貯蔵は、送電網を一層ダイナミックかつ適応性のあるものに変革させていく要素のひとつです。エネルギーを貯蔵できることで、電力会社、エンドユーザーおよびサードパーティーは、必要に応じて電力の貯蔵や供給ができるようになります。エネルギー貯蔵は、レジリエンスの向上、停電時のバックアップ電力の提供、送電網の安定化、ピーク時の電力需要に対応するコストの低減、風力発電および太陽光発電の設備の価値向上、送電インフラコストの低減等、数多くのメリットをもたらします。

シャーマン アンド スターリングのエネルギー貯蔵に関する特筆すべき実績として、当事務所は、カリフォルニア州のバッテリーを使った蓄電プロジェクト3件の部分契約型ポートフォリオ(最大490 MW/1,525 MWh)の建設および拡張につき、Bolt Energy社に融資するレンダーにアドバイスを提供しました。これは、蓄電池施設に対する融資としては史上最大規模であり、また、ポートフォリオに含まれる蓄電池プロジェクトの1つであるGateway Energy Storageは世界最大の蓄電池プロジェクトです。

グリーンインダストリー 

重工業は、気候変動対策における次なるフロンティアです。鉄鋼やセメントの生産は大量のエネルギーを消費し、それぞれ世界のエネルギー関連排出量の78%を占めており、排出量削減のための対策が必要とされています。

シャーマン アンド スターリングは、重工業メーカーへの豊富なアドバイス経験と、再生可能エネルギーや水素分野での経験を活かし、製造業のクライアントがCO2排出量のより少ない事業運営に移行できるよう最適な支援を行っています。